インテリアは“コンセプト”から始まる——窓装飾の選び方
私はインテリアコーディネーターとして、日々エンドユーザーのお客様や、オフィス・賃貸物件・コテージなどの法人クライアントに向けて、空間のご提案をしています。
なかでも「窓まわり」をどのように設えるかを考えるのは、私にとって特に楽しい時間です。カーテンやブラインド、障子といった選択肢に加え、あえて“何もつけない”という潔い選択が生まれることもあります。
では、私たちインテリアコーディネーターは、どのようにしてそれらを選び取っているのでしょうか。
――私の場合、その答えは“コンセプト”にあります。
5月の総会後の記念セミナーでもお話ししましたが、インテリアデザイン・コーディネートは常に「コンセプトありき」。私は、クライアントの“想いが感じられる空間”を大切にしており、そのためにはまず、お客様のニーズを丁寧にくみ取った上で、明確なデザインコンセプトを共有することから始めます。
そこからインテリアのイメージを描き、カラースキームや素材、形状などへと具体化していきます。このプロセスを経ることで、私自身もお客様も軸のぶれない空間づくりができ、最終的な完成度や満足度がより高まると感じています。
暮らす人、使う人の“想い”が、窓まわりの選択にもあらわれる

例えばこちらの事例はずいぶん前にコーディネートさせていただいた別荘ですが、コンセプトは「豊かな休日」
人生経験豊富な二人が過ごす週末の家。今まで培ってきた、ゆるぎない価値観で選んできたインテリアは正統派。でもここに来たら力を抜いてリゾート感や季節の移ろいを楽しみたい。時にはお友達を招いて、テラスで気楽なパーティーも楽しみの一つ。
こんなコンセプトでご提案しました。基本的なインテリアイメージはナチュラルですが、家具などオーセンティックな印象です(ちなみに家具はカンディハウスさん、長く続いているデザインのものです)。
さて、この画像はリビングですが、コンセプトをどこに落とし込んでいるかわかりますか? ・・・って、画像だとまったくわかりませんね(^-^;
実はラグとシアーカーテンのデザインなのです。

シアーカーテン、グラデーションになっています。

ラグもグラデーション。
外に目をやると季節の移ろいを感じられる大きな窓。ロールスクリーンは日差しの強い時や夜には下げますが、昼間はこの軽やかな生地だけで過ごします。その生地のデザインに、季節の移ろいをイメージしてグラデーションのものを選びました。
ラグも同様にグラデーションのデザインです。
いかがでしょう。ストーリーを感じていただけるでしょうか。お客様の想いを感じられるインテリア、カーテンにもその想いをのせていきます。
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